狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
第六章 甘すぎるキス
「……――狼谷君!!待って!!!」
校門を抜けたところを歩いていた狼谷君の背中を見つけて大声で呼びとめる。
「あ、あたしも途中まで一緒に帰ってもいいかな?」
ゆっくりとした足取りで歩いていた狼谷君の横に勝手に並んでそう問いかけると、彼は呆れたように目を細めた。
「お前、球技大会はどうしたんだよ」
「あ~……、球技大会はもういいの。ほら、来年もあるし」
「さっき成績ヤバいって言ってただろ」
「うん……、ヤバいことはヤバいんだけど……」
それでも今のあたしにとっては狼谷君の方が大切だから。