狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「ダメダメ!!絶対に離れちゃだめだよ!!」
「バーカ。そんな強くおさえなくても離れねぇよ」
「だって今、手を離したら狼谷君の気が変わっちゃうかもしれないでしょ?」
「気が変わるってなんだよ」
大きな胸に顔を埋めながらそう言うと、狼谷君はクスッと笑った。
「さっきは『好き』って言ってくれたけど、離れたらもう好きじゃなくなっちゃうかもしれないし……。って、自分でもよくわからないけど、このままがいいの……」
「何だそれ」
「あっ、そうだ!!今、狼谷君の気が変わりませんようにって、神様に頼むから。だからこのままちょっと待って?」
えっと、神様、仏様……それから、えっとぉ……。
頭の中でそう唱えていると、狼谷君は背中に回るあたしの手をそっと掴んだ。