狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
正直、不良は苦手だ。
中学生の時の塾帰り、駅前で不良に絡まれた時、笑われるのがあんなに苦痛だったのに。
それなのにどうして彼の笑顔に目を奪われてしまうんだろう。
普段笑わない彼が笑っているから……?
大人っぽい顔が笑うとほんの少しだけ子供っぽくなる。
「……――っ」
何故かキュンっと高鳴る胸。
えっ。なにこれ。何だろ……、この気持ち。
こんな気持ち生まれて初めてだ。
変。あたし、変だよ……。
この時のあたしにはその理由がまだよく分からなかった……――。