狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「もう。愁太ってば~。起してって頼んだの愁太でしょ~?」
愁太の腕の辺りを掴んで揺すっても愁太はピクリとも動かない。
ハァ……。
やっぱり愁太の寝起きは最悪。
……――あっ。そうだ!!
その時、ふとあるアイデアが頭に浮かんで、あたしはそっとベッドから足を下ろした。
「ふふっ……。この間のお返しだっ」
油性マジックを手に取り、胸を弾ませながら愁太の手の甲にマジックを滑らせる。
数日前、あたしが楽しみに最後まで残しておいたお弁当の卵焼きを食べた仕返しだ!!
手の甲に書かれたウサギの絵に気付いた時の愁太の顔を想像すると、ワクワクしてくる。
もうダメ。我慢できない……――!!
早く愁太を起こしたい衝動に駆られて、あたしはもう一度愁太の体を強く揺すった。