狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「そんな顔で見つめられたら、とまんなくなるだろ」
「へ?」
「お前、自覚ないのか?」
「自覚って……なに?」
「もういい。とにかく、その顔……ほかの男にみせんじゃねぇぞ」
ぶっきら棒にそう言う星哉はどこか余裕がなさそうに見えて。
初めて見たその表情に胸がキュンっと高鳴る。
風邪をひいて辛いけど、なんだか結果オーライかも!?
「またキスされたくなかったら、さっさと寝ろ。今度話しかけたら襲うからな」
ぶっきら棒にそう言う星哉の言葉から、星哉なりの優しさを感じて。
不器用ながらもあたしのことを心配してくれてるって……伝わるよ。
あたしは小さく頷くと、ゆっくりと目を閉じた。