狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「それなら、俺もついていく」
「へっ?」
「ラーメン屋まで送って行ってやるよ。こんな時間だし」
「大丈夫だよ!!ひとりで行けるし。それに、ほら。ヒロちゃんと一緒に行ったらますます誤解されちゃいそうだから」
「俺らって誤解されるような仲……?」
「そういうんじゃないよ。だって、ヒロちゃんとあたしは幼なじみだもん。だけど……――」
「……――ない」
「えっ?」
ピタリとその場に立ち止ったヒロちゃん。
道路脇の街灯に浮かび上がるヒロちゃんの横顔があまりにも真剣で思わず息をのむ。
「俺、桃華を幼なじみだって思ったことなんて一度もない」
「えっ?そうなの?じゃあ、何?まさか、他人だなんて言わないよね~?」
重たい空気に耐えかねてちゃかすようにそう言うと、突然ヒロちゃんがあたしの肩を掴んだ。