狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「俺と約束しただろ?」
その言葉とほぼ同時に唇に訪れた柔らかい感触。
押し付けられたのが唇だと気付いて慌ててヒロちゃんの胸を両手で押し返す。
なんで……?
何でヒロちゃんがこんな……――!!
「……――やめてっ!!」
何とかヒロちゃんから離れて唇をゴシゴシと手の甲で拭う。
「どうしてこんなことするの……?ヒロちゃん、ひどいよ!!」
「ヒロちゃんなんて呼ぶなよ!!もう子供じゃねぇんだよ!!」
久しぶりの再会に喜んでいたのに。
それなのに、どうしてこんなことに……――。
「……――ヒロちゃんのバカ!!」
あたしは大声で叫ぶと、勢いよく走り出した。