狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
第十一章 バレてしまったキス
静かな住宅街にあたしと星哉の足音だけが響く。
時折、街灯に照らされる星哉の横顔。
ねぇ、星哉。
星哉は今……何を考えてる?
誰のことを……頭に思い浮かべてる?
星哉のその横顔が少しだけ物悲しそうに見えて、あたしは思わず目を反らした。
「……――今日、何してたんだよ」
重たい空気の中、先に口を開いたのは星哉だった。
「別に……何もしてないよ」
「ずっとあの幼なじみと一緒にいたのか?」
「ううん……。違うよ」
工場の中で一緒にいたのは間違いない。
だけど、それはアルバイトだから。
星哉へのクリスマスプレゼントを買うためにバイトしていること。
それを隠すためにあたしは嘘を吐いた。