狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「ヒロちゃんとか言ってるから、女かと思った」
「そ、そうだよね……。ごめん、言い方が悪かったね」
「別にどうだっていい」
「どうだって……いい?」
星哉の言葉にパッと顔をあげると、星哉はまっすぐ前を見たまま顔色一つ変えずにそう言い切った。
その言葉の通り、本当にどうでもいいような星哉の態度に胸の奥から複雑な感情がこみ上げてくる。
「星哉は……あたしが誰と一緒にいても全然平気?」
「誰といてもって例えば誰だよ」
「ヒロちゃんとか……愁太とか……」
「あいつらは幼なじみだって自分で言ってただろ」
「もし……、もしもの話だけど、ヒロちゃんがあたしのことを好きだったらとかそういうこと、考えない?」
「もしそうだとしても、そんなの考えるだけ無駄」
星哉はピシャリとそう言うと、取り出したタバコに火をつけた。