狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「も~!!いい加減起きてってば~!!次の時間、数学だよ?数学の単位全然足りないんでしょ……――」
しつこく何度も体を揺すり続けると、愁太の頭がわずかに持ち上がった。
「愁太、ようやく起き……た……?」
えっ?
ふと感じた違和感に心が一瞬でざわつく。
その時、左耳についているピアスに目がいった。
耳に輝くゴールドのシンプルなピアス。
しかも、一つじゃない。
「あれ……?」
ていうか、愁太ってあんなピアス持ってたっけ……?
あれれ?やっぱりおかしい。
持っているかいないかの前に、愁太がピアスの穴を開けていた覚えがない。
う、嘘。なんで?どうして?
混乱する頭で必死に考えを巡らせる。