狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】

「これって……」


紺色のカバーに包まれた学生証。


めくって中を見ると、確かにあたしの物だった。


「どうしてこれを狼谷君が……?」


「保健室に落としていっただろ」


「保健室……?」


「お前、すげぇ慌てて出て行っただろ?多分、その時に」


狼谷君はそれだけ言うと、再びポケットに手を突っ込んで背中を向けて歩き出した。

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