狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「おい、いい加減にしろよ」
ずっと黙っていた星哉がそう声を上げた瞬間、瑞穂ちゃんはキッとあたしを睨んだ。
「あたし、見たの。さっき桃華ちゃんが……あの男の子とキスしてたところ」
「え……?」
さっき……見たって……。
もしかして、ヒロちゃんにされたキス……
瑞穂ちゃんに見られていたの……?
「ちょっ、どういうこと?桃華ちゃん、星哉じゃない男と……キスしたの?」
慌てるナオくん。
「それ……本当なのか?」
眉間にしわを寄せて不機嫌そうな星哉。
キスをしたのは……嘘じゃない。
一方的にされたとはいえ、それはただの言い訳になる。