狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「でも、狼谷君が学生証を届けに来てくれるなんてね。ちょっと驚き」
「だよね……。みんなは狼谷君のことを極悪人みたいな言い方するけど……本当は違うのかな?」
本当の極悪人がわざわざ学生証を届けてくれる……?
それに、愁太があたしをかばうことを言った時も手を出すどころか彼は顔色一つ変えなかった。
喧嘩っ早いっていう噂が本当なら、あそこで愁太に掴みかかって大喧嘩になっていてもおかしくないはず。
「だけど、喧嘩して相手を病院送りにしたっていうのは紛れもない事実なんだよね……。ていうか、さっきの愁太、かっこよかったじゃん!!」
沙希はそう言うと、ずっと黙っていた愁太に話をふった。