狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
だけど、あたしの視線はどうしても瑞穂ちゃんの前に座る星哉に向いてしまう。
星哉はあたしに気付くと、すぐに視線を外してヒロちゃんに移した。
黙ってお互いを睨みあう二人。
辺りにピリピリとした空気が流れる。
そんな空気を先に破ったのはヒロちゃんだった。
「……――アンタ、桃華の元彼でしょ?もう女作ったのかよ」
「関係ないだろ」
「いや。関係あるから。俺、桃華が好きだし」
ヒロちゃんの言葉に、星哉は苛立ったように目を細める。
「あなた……この間桃華ちゃんにキスしてたよね?」
そこに横やりをいれるようにそんなことを言い出した瑞穂ちゃん。
「あぁ……君、見てたの……?」
ヒロちゃんがしどろもどろになりながらそう答えた瞬間、勢いよく席から立ち上がった星哉が瑞穂ちゃんの腕を掴んだ。