狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
第十四章 波乱の終結と重なる想い
終業式を終えて体育館から教室に戻ると、クラス中は明日に控えたクリスマスの話題一色だった。
明日はどこへいくとか、誰と過ごすとか、何をするとか。
笑顔でそんな話をするクラスメイト達を横目に、あたしは小さなため息をついた。
「狼谷君……、来てなかったね」
「うん……」
沙希の言葉に小さく頷く。
今日、ほんの少しだけでも星哉の顔を見たかったのに……。
明日からは冬休みだし、始業式までしばらくの間会えなくなる。
2日前にファミレスで顔を合わせた時、星哉は苛立ったように席を立った。
そんなにあたしのことが嫌い……?
ダメダメ。
最近涙腺が緩すぎる。
星哉のことを考えると、すぐに涙が溢れそうになる……――。