狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
や、やだ。
と、とまれない?
嘘でしょ!?
「お、狼谷君……!!危ない!!どいて!!」
運動能力の問題かそれとも廊下が思った以上に滑ってしまったからか。
どちらかは分からないけれど、勢いのついてしまった体はそのまま狼谷君に向かって突進していった。
「キャッ……――」
足が滑り前のめりになった体はもう自分ではどうしようもなくて。
狼谷君にぶつからずに自分一人が廊下で派手に転ぶのは仕方がない。
自分のドジさ加減に呆れながらギュッと目をつぶった瞬間。
「……――!!」
あたしの体に何かの力がかかった。