狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「俺……狼谷君と熊井さんのこと……全部稲葉に報告してたんだ……」
「え?」
「……あいつには貸りがあったんだ。前に親からサッカー用品を買うっていってもらった一万円をゲーセンで全部使っちゃってさ……。その時に困ってたら見ず知らずの稲葉が来て俺に言ったんだ。「金、貸そうか?」って」
「それで、彼に一万円借りちゃったの……?」
「すぐに返そうと思ったんだけどなかなか返せなくて。少しずつ返してたんだけど、利子まで払えって言われて……。そんなこと言われてもそんな金用意できなくてさ……」
彼の苦しそうな表情に胸が痛くなる。