狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】

「俺……稲葉からのメールの後、すっごい後悔した。いくら借金をちゃらにしてもらえるからって狼谷君を売るような真似をしたことに……。だから、狼谷君に何度も電話をしたんだけど何回かけても電源が入ってなくて……」


「嘘……そんな……」


昨日の夜に倉庫に呼び出されて、今日は学校に来ていない。


もしかしたら、今もその倉庫で星哉は危険にさらされているのかもしれない。


「その倉庫ってどこ!?星哉を助けに行かなくちゃ!!」


「隣町との境目の埠頭の近くの倉庫だけど……」


「分かった!ありがとう」


「もしかして……今から行く気!?そんなの無理だ!熊井さんが行くなんて危険すぎるよ!!」


「だけど、このままにしておけないよ!!」


「ちょっ、熊井さんっ!?」


あたしはハァと小さな息を吐くと、斉藤君の制止を無視して全速力で走り出した。


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