狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「え?」


その手のひらの先を目で追ってあたしは口をぽかーんっと開けた。


「また転んだのか?鈍くせぇ奴」


そう言って口元に呆れたような笑みを浮かべる星哉。


「えっ?えっ?な、何?どうして……」


だって、今、埠頭の倉庫にいるんじゃ……――。


頭の中がぐしゃぐしゃで何も考えられない。


「こんなとこに座ってねぇで早く立てって」


星哉はそう言うと、あたしの手を掴んで立ち上がらせてくれた。
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