狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「……――っ」
星哉に触れられた瞬間、体中に『好き』の気持ちが溢れ出す。
どうしようもなく胸が苦しくなって目頭が熱くなる。
よかった……。顔に傷もないし、けがをしている様子もない。
ホッと胸をなで下ろすとあたしは真っ直ぐ星哉を見つめた。
「あたしね……あのね……――」
星哉の身を案じて自分から別れを切り出した。
それなのに、どうしても伝えたい。
この気持ちを……――。
星哉へのこの想いを伝えたい……――。
だけど、やっぱり寸前のところでためらってしまう。
稲葉君がまた……星哉に手を出すかもしれない。