狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「あたし、もう星哉のこと諦めるから」
「へ?」
「この間、ファミレスで桃華ちゃんに会ったでしょ?あの時、星哉に誘われて、あたし舞い上がってたの。寄りを戻そうって言われると思ったから。だけど、違った。あたし、あの時キッパリ振られたの」
「振られた……?」
確かにヒロちゃんと一緒にいるときに星哉と瑞穂ちゃんには会った。
その時、二人がよりを戻したのかと思っていたのに、違うの……?
「『俺とお前はもう終わった』って。本当にハッキリ言われて、目が覚めた。だけど、あたし……桃華ちゃんにいろいろ言っちゃったし、ちゃんと謝りたくて、今日ここに連れてきてもらったの」
「そうだったんだ……」
「あの時は、本当にごめんなさい。あたし、最低だった」
「そ、そんな……謝らないで?」
星哉があたしを選んでくれたのは嬉しいけど、瑞穂ちゃんの気持ちを考えると、手放しで喜べない。
すると、そんな複雑な感情を抱えているあたしの背中を誰かがポンポンッと叩いた。