狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
ついばむようなキスから、徐々に激しくなるキス。
そのキスから星哉の愛情を感じて、全身が熱を帯びる。
「……――あのっ、星哉……待って……。あたしも渡したいものがあるの」
キスの合間にあたしはバッグから取り出したラッピングされた小さな箱を星哉に手渡した。
「えっと、あたしからのクリスマスプレゼント」
気に入ってくれるかは分からないけど、星哉が少し前に欲しいって言っていたブランド物のピアス。
箱を開けた星哉はほんの一瞬、眉間にしわを寄せた。
「もしかして、このためにバイトしてたのか?」
「え?どうしてそれを……――」
「全部、桃華の幼なじみに聞いた」
「愁太から?」
「違う。桃華にキスしやがったもう一人の幼なじみにこないだ会って聞いた」
「ヒロちゃん……から?」
星哉の口ぶりから、二人が出会って一触即発になっている場面が簡単に想像できて背筋に冷たいものが走る。