狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「それに、前、言ってたでしょ……?」
『もし……、もしもの話だけど、ヒロちゃんがあたしのことを好きだったらとかそういうこと、考えない?』
そう聞いた時、星哉は……
『もしそうだとしても、そんなの考えるだけ無駄』
そう答えた。
星哉はあたしが誰とどこにいようと全然平気って感じだったのに。
「バカ。あんな言葉まにうけるんじゃねぇよ。自分の女がほかの男と一緒にいて何にも思わないわけないだろ」
「じゃあ、本当は……あたしがヒロちゃんや愁太と一緒にいるの……嫌だった?」
星哉の表情を伺うように訪ねると星哉は「当たり前だろ。すっげぇ嫌だった」とハッキリそう答えた。
嘘……。なんか、すごい嬉しい……。
星哉もヤキモチ妬いてくれたりするんだ……。
「でも、あの時は稲葉のこともあったから、俺が一緒にいられないときは秋川愁太と一緒にいてくれた方が安心だった。だけど、あの手袋を幼なじみからもらったって分かってマジ無理になった」
「え?」
「あのピンクの手袋。大切なんだろ?」
「うん!すごい大切だよ。あれは、愁太がくれた誕生日プレ……――んっ」
最後まで言うことなく、星哉はあたしの唇を奪った。
ほんの少しだけ強引なそのキスからは星哉のヤキモチを感じられた。