狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】

「しゅ、愁太は今、沙希と付き合ってるし……星哉が心配するようなことは何もないからね?」


赤く火照った顔を見られないように星哉から顔を背ける。


「そういう顔が男を欲情させんだよ、バーカ」


星哉は呆れたようにそう言うと、あたしの両手に取り出した手袋をはめてくれた。


「本当はゴミ箱に捨てたいけど、桃華が可哀想だから返してやるよ。それに、これは冬場限定だから我慢する」


「さっき言ってたのって……もしかして……」


『これは、季節関係ないからな』とか『冬だけ限定のものじゃない』とか。


その言葉は、もしかしたらピンクの手袋への星哉の小さな抵抗なのかも。


何だかそう考えるとちょっぴり可笑しくて思わず笑みが漏れる。




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