狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「お前、それを言うためにわざわざあんな必死に追いかけてきたのか?」
「うん……。本当にごめ……――」
もう一度謝ろうとした時、目の前の狼谷君が呆れたように笑った。
あっ、まただ。
胸がキュンっと高鳴って痛いくらいに締め付けられる。
保健室で感じた不思議な気持ちが再びわき上がる。
「何度も謝んなよ。それに、人の目とかいちいち気にしてねぇから安心しろ」
「でも……」
「タヌキの絵ももう気にしてねぇし、もう謝んな」
あれって、タヌキじゃなくてウサギなのに……。
心の中でそうポツリと呟いてみる。