狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
あたしだって今までずっと……そうだと信じて疑わなかった。
狼谷君の外見と噂話だけで、彼のことを全部知った気になっていたから。
とにかく怖くて、悪くて、近付いてはいけない危険人物っていうレッテルを貼っていた。
だけど、本当にそうなのかな……?
狼谷君の背中を目で追いながらふとそんなことを考える。
もっと、知りたい。
狼谷君のことを……もっともっと知ってみたいな。
この日を境に、あたしの心の中にそんな気持ちが芽生え始めた。