狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「斉藤……君?」


「ごめん。もうこんなことしないから。ちゃんと諦めるから。だから、もう少しだけこうさせて?」



斉藤君の震えた声を聴いて、彼のことを引き離す気になんてなれなくて。


だけど、気持ちに応えられない以上、彼の背中に腕を回すことはできない。


あたしは黙って彼に抱きしめられながら、心の中で『ごめんね』と謝り続けた。

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