狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
下手に声をかけたり励ましたりしてくれなくても、狼谷君の温かい気持ちが伝わってきて胸が苦しくなる。
『好き』という気持ちがもっともっと強くなって、今すぐにでもその気持ちを打ち明けてしまいたくなる。
あたし、狼谷君が好き。
例え叶わない恋だったとしても、あたしが狼谷君を好きだという事実は変わらない。
「狼谷く……ん、あ、あたしと……友達にぃ……うぅ……」
『狼谷君、あたしと友達になってくれない?』
そう聞きたいのに、泣きじゃくったせいかうまく言葉にならない。
だけど、狼谷君にはちゃんと伝わったみたい。
「分かったよ。俺とお前は友達だ」
「あ、ありがどう!!」
鼻声でそうお礼を言うと、背中に回っていた狼谷君の手のひらがあたしの頭に置かれた。