君へのキモチ
今なお生きて



たくさんの人で溢れる浜辺
暑い太陽の下 裸で寝そべり
かつて戦場だったこの街で
戦争を知らない人で溢れている

故郷へ帰れぬ人たちが眠る
無様な姿をさらけ出し 無邪気な
笑顔は時を越えるだろうか
今なお さまよえる魂たちよ

傷つき 焼け焦げてもなお
立ち上がり 戦い続けた勇気
誰にも最後のときは知らされずに
ただ 骨だけが哀れに残る

忘れてはならない真実がある
戦争という組織のなかで 人は
鎖でつながれ 魂を抜き取られて
ただ ただ 前へ前へ 戦い続けた


哀れに浮かびだされた人影
子供が母親に抱かれている
何を語りかけているのだろうか
骨は無残に砕け落ちていた

誰もが東の空を見つめていた
故郷への思いを噛締めながら
誰にも最後のときは知らされずに
その思いは誰が伝えるのだろう


都会では人が溢れていた
笑い声と爽やかな風の中で
人の願うこと 欲望が叶えられ
まるで夢にも出てこないくらいに・・・・。

忘れてはならない真実がある
骨をひとつひとつ拾い集めていく
若者たちがいることを・・・・・
日本のTVニュースが伝えていた・・・・


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