愛 -エイエン-
「陸チャン降りてこないわね〜。」

「あっ私が呼びに行ってきます♪」

「うん、お願いするわ♪」

不機嫌のまま帰宅し、自分の部屋に篭ったままの陸斗を心配する母親に、瑛奈は笑顔で言った。




“コンコンッ…ガチャッ”

「…陸斗?クッキー出来たから持ってきたよ♪…入るよ〜?」

機嫌が悪く、部屋で寝転びながら音楽を聞いている陸斗の返答を待たずに、瑛奈はドアを開けた。

「陸斗!音楽の音量大きすぎるよ!」

「ッ何だよ!?ウルセーな。…勝手に入ってくんな。」

部屋に入ってきた瑛奈に陸斗は不機嫌そうに言った。

「クッキー出来たから持ってきてあげたんじゃん♪機嫌直して♪ホラっ!ア〜ン♪」

「…イマイチ。」

機嫌をなだめるように、瑛奈は笑顔でクッキーを陸斗の口へと運んだ。

「ウ〜…海斗は美味しいって言ってくれたもん!!」

批評した陸斗の言葉に、瑛奈は頬を膨らませ言った。

“バンッ”

「…!?何!?」

「………。」

瑛奈のその言葉にムカついた陸斗は瑛奈をベットに押し倒した。
< 13 / 56 >

この作品をシェア

pagetop