愛 -エイエン-
“コンコンッ”

「…陸斗?母サン達は?」

陸斗と瑛奈の行為を途切るように、ドアをノックする音がした。

海斗が帰ってきたのだった。

「…あ〜…ちょっと待って。」

陸斗はそう言うと、瑛奈は急いで座り直し、陸斗はゆっくりとドアを開けた。

「…海斗帰ってたんだ?ってか、母サン達はちょっと買い物。」

「ふ〜ん。…あれ?瑛奈は?」

海斗はそういうと陸斗の部屋を覗き込んだ。

「!!ッあっ…海斗お帰り♪」

「ただいま!…んで、お前らは何してたの?」

瑛奈はドキドキしていた。

普段だったら自分から顔を出しにいくのに、何故か今は誰にも見られちゃいけない気がしていた。

「瑛奈達が作ったケーキ一緒に食べてただけ♪…瑛奈そうだよな?♪」

「うっうん☆…あっ!海斗の分も作ってあるから食べてね♪」

陸斗がそう言うと、瑛奈は顔を赤くしながら言った。

「…ふ〜ん。」

海斗は瑛奈の言動に少し疑問に思いながらも、自分の部屋へと帰って行った。
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