愛 -エイエン-
−数日後−

“チュッ”

「…でも、陸斗キス上手になった。」

「(笑)それって誉めてんの?」

いつもの様に長い口づけをすると、梨華は嬉しそうに言った。

「勿論、誉めてるよぉ〜!」

「んじゃ、もっと上手くならなきゃな♪」

梨華の言葉に、陸斗は笑顔で言った。

あの日以来、梨華とも付き合うようになった陸斗は、時間がある時にはいつも図書室で梨華と会っていた。

最初は瑛奈に対して罪悪感があった陸斗だが、梨華と付き合っていく内に、罪悪感は薄れていった。



もしかしたら、陸斗は淋しかっただけなのかもしれない…

生徒会や部活で忙しく、なかなか2人で会う事が出来ない瑛奈との…

時間をただ、過ごせる相手がほしかった…

そんな軽い気持ちで…

この時、陸斗は事の重大さに気が付いていなかった。
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