愛 -ｴｲｴﾝ-

「(何で俺だけ別のｸﾗｽなんだ？)」

「…山下海斗ｸﾝ？」

自分だけｸﾗｽが離れ、海斗は不機嫌そうに、１人ｲﾗｲﾗしながら席に座っていると、隣の席の女子が話し掛けてきた。

「…そうだけど？何？」

陸斗と正反対の性格の海斗はｸｰﾙで、あまり女子とは喋らないﾀｲﾌﾟ。

更に機嫌が悪かった事もあり、冷たい言い方だった。

「私、結城由奈(ﾕｳｷﾕﾅ)ってゆうの。ﾖﾛｼｸね♪」

「あ〜…うん。」

笑顔で自己紹介をする由奈に海斗は興味なさそうにあいずちをした。

「…(苦笑)」

由奈はあまりの海斗のそっけなさに苦笑いをすると、その場を去っていった。



「…ｯ結城ｻﾝ！…ﾊﾝｶﾁ落としたよ。はい。」

「!?…あっありがとう♪♪」

席を立った時に落ちたﾊﾝｶﾁに気付かず去って行ってしまった由奈に、海斗は追い掛けてﾊﾝｶﾁを無愛想に手渡すと、由奈は海斗がﾊﾝｶﾁを拾って追い掛けてきてくれた事が意外そうにﾋﾞｯｸﾘしつつ嬉しそうに言った。