チャラくてキケン!! それでもヤンキー彼氏が好きなんです
――パシッ!


乾いた音と共に、俺の拳が誰かの手によって遮られてしまった。


「おい、嵐…俺に黙ってなんでこんなところで遊んでんだぁ?」


「虎ちゃん!?」


いつの間にか虎ちゃんがやって来ていて、俺を思いっきりニラんでる。


「どうやったらこれが遊んでるよーに見える?」


苦笑いするしか、ない。


「遊んでんだろーが。世界史は俺も苦手なんだって!!サボるなら俺も誘え。

なんだよ、コイツ。見たことねーツラだな」


あれだけ文句を言ってたくせに、


男は虎ちゃんを見て、完全にビビっている。






…チッ。


俺がどんなに凄んでも、


ドスのきいた声を出しても、


いつもビビるヤツはいない。


女顔になにができんだよ、みたいな顔をされる。


ムカつくけど、それが現実だ。


こういうときに、


痛いほど、虎ちゃんとの差を思い知らされる。


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