小さなきみ【短】
先輩と同じ委員会だった友達の情報によると、先輩はずっと県外の大学を目指していたらしい。
そんな事すら知らなかったあたしは、今日まで挨拶すら出来ずにいた。
三年生が登校して来るのは、きっともう数える程だろう。
せめてメールアドレスくらい訊けるような仲なら、これからも何とか繋がっていられたのかもしれない。
だけど…
先輩が卒業する事をわかっていながら、あたしは今日まで行動に移せずにいた。
自業自得、だよね……
出来る事は、きっとたくさんあった。
それでも緊張のあまり行動に移せなかったのは、自分自身。
後悔に押し潰されそうになっていると、部屋のドアをカリカリと引っ掻くような音が聞こえた。
「アンッ!」
「チビ……」
グスグスと鼻を啜りながら、誰かに傍にいて欲しくてドアを開ける。
すると、部屋に入って来たチビは、ラグの上に腰を下ろしたあたしの傍に寄り添うように丸まった。
まるで、あたしを優しく慰めるように。
そんな事すら知らなかったあたしは、今日まで挨拶すら出来ずにいた。
三年生が登校して来るのは、きっともう数える程だろう。
せめてメールアドレスくらい訊けるような仲なら、これからも何とか繋がっていられたのかもしれない。
だけど…
先輩が卒業する事をわかっていながら、あたしは今日まで行動に移せずにいた。
自業自得、だよね……
出来る事は、きっとたくさんあった。
それでも緊張のあまり行動に移せなかったのは、自分自身。
後悔に押し潰されそうになっていると、部屋のドアをカリカリと引っ掻くような音が聞こえた。
「アンッ!」
「チビ……」
グスグスと鼻を啜りながら、誰かに傍にいて欲しくてドアを開ける。
すると、部屋に入って来たチビは、ラグの上に腰を下ろしたあたしの傍に寄り添うように丸まった。
まるで、あたしを優しく慰めるように。