眼鏡の裏にSな君
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お昼を食べ終わり、友達と雑談をしながらごろついていると、唯(ゆい)がいきなり言った。


「ねえねえ、かりん、職員室来てくれない?」

「え、何で?」

「え?何でって、桜井んとこ行くんだけど?」

「えええっ、桜井先生のとこ!?なんでまた桜井先生のとこに!?」

「へ?言わなかったっけ?うちさー、何だかんだ言って桜井の事好きなんだよねー」






…へ?

今、唯桜井先生の事好きって?

嘘…私だけじゃなかったんだ。


やっぱり、先生からしたら、迷惑なのかもしれない。

色んな人に好き好き言われて、チヤホヤされて…


私の存在なんて、先生に想いを寄せるファンの中の一人…つまり、見てもらえない。





「あ…そうだったっけ?あはは、知らなかったー」

「えー?そう?まあ、見てもらえるようにアタックだよね!かりん、応援よろ!」

「えっ、ああ、もちろん!頑張ってね」

「ありがとうっ!じゃ、行こー」





やだ、やだやだやだやだやだやだやだ。

お願い。

先生のとこには、行かないで。

私を見てもらえるように頑張ってたのに。

唯は可愛いし、もしかしたら先生のお気に入りになるかもしれない。

それに、先生はフレンドリーだし、メアドも交換しちゃいそう。


それだけは、やだ。唯、やめて。先生に近づかないで。

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