【続】ハピバ
『せんぱぁーい!!』

げた箱に着くと、たくさんいる2年の中で一際輝いている先輩の姿を見つけた


『お前はどこでも声がでかすぎんだよ!』


『サチちゃんのおかげで優勝できたよ』

怒っている先輩とは対照的に、隣にいた倉田先輩は笑顔でブイサインをした



優勝…………?



『って先輩優勝したんですか!?おめでとうございます!!』


あー見れなかったことがスッゴいくやしー!!!


『あれ…?でも何であたしのおかげなんですか?』

あたし何もしてないよね?

『だってサチちゃん応援しに来てくれたでしょ?』


『えっ!?…えー!!気付いてたんですか?』

『あんなに視線送ってたら、気付くっつーの』

じゃあやっぱり目があったのは、気のせいぢゃなかったんだ

あとで絹子に言っとこー


『先生に引きずられてる姿には、ウケたけどな』

先輩は横を向いて、フッと吹き出した

『そっそんなとこも見てたんですか!?』

うわーかなりハズすぎる…



『あっ…それで課題渡されちゃって…遅くなると思うんで、先に帰っちゃってください』

『ふーん…分かった。頑張れよ』

『はいっ!』

先輩があたしの頭を撫でてくれて、それだけであたしの心は幸せな気持ちでいっぱいになる

先輩の手は魔法の手なんだ♪


『サチーーー担任きたよー!!早く戻ってこーいっ!!』


上を見ると、絹子が教室から顔を出して、あたしに向かって叫んだ

『げっ!!やばっ…じゃあ先輩、倉田先輩さようなら』

あたしは2人に一礼してまた教室に向かって走った
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