【続】ハピバ
痛む右手を左手でおさえながら教室に戻ると、絹子たちがすぐにあたしの異変に気付いた


『サチ遅かったじゃん!…ってその手どーしたの!?』


詩織があたしの左手を掴んで、赤く腫れた右手を驚いた表情で見る


『もしかして……また先輩の女子にやられたの!?』

眉間にしわを寄せながらあたしを見る絹子は明らかに怒っている……


『うん……』

力なく答えると、詩織はあたしを心配そうに見つめて


『先輩には…話した方がいいんじゃない?』


と言われたけど、あたしは首を横に思いっきり振った


先輩には絶対言えない…言ったら今の関係が変わる気がする……

先輩はホントはすごく優しい人だから、きっと自分のせいだって思っちゃう


『サチが言いたくないなら言わなくて良いけど、何かあったら絶対あたしたちには話すんだよ?』

『んっ…分かった』


あたしの周りは優しい人がたくさん居る。だから…きっと、大丈夫だよね……?


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