日陰より愛を
すぐに足がもつれそうになった。
酸欠で、息が苦しい。
けれど、それでもと足を前に進めた途端
「あっ…!」
「おっと、大丈夫?」
倒れそうになった私を支えてくれた大学の先輩と思われる人。
しかし、すぐにその人からは引き離された。
「篠崎さん」
掴まれた腕が熱かった。
先輩……。
「あれ、亮介じゃん! …ってことは、この子が例の」
「ちょっと黙ってて、啓太(けいた)」
その場に冷たい声が響きわたった。