日陰より愛を
「おつかれさまでした」
「はーい、おつかれさま。明日もよろしくねぇ」
バイト先のおばあちゃんたちに挨拶をして私は店を出る。
私の周りは特に変わったこともなく、ゆったりと時間が過ぎていた。
一つだけ変わったことといえば、あの神社にお参りするようになったこと。
バイト帰りに立ち寄ってから家に帰るようになった。
願うことは最初からずっと変わらない。
たった1人の幸せだけだ。
朝が苦手だったよね。
遅刻してない?
無理して身体を壊したりしてない?
ため込まないでちゃんと人に相談するんだよ。
あなたは1人じゃないはずだから。
………支えてくれる、パートナーは見つかった?
「余計なお世話、か」
乾いた笑いが、空に消えていった。