日陰より愛を
私はりょうに促されて家の中に入った。
そして、彼が持っていた袋の中身を机の上にあけた。
「……カセットテープ……?」
それは、1から25までの数字がふってあるカセットテープだった。
「葵が愛されてる証拠だよ」
りょうは困惑している私に優しく微笑み、テープレコーダーを取り出した。
「社長が貸してくれたんだ。テープレコーダーなんて今時ないからね」
そう言って1と書かれたテープを手に取ると、それをセットして私に手渡してきた。
私はわけが分からないまま、イヤホンを耳に当てた。