日陰より愛を
高校生になって演劇部に入った私は、たちまち演技の魅力に取り憑かれ、役者の道を志した。
しかし、そんなことが許されるわけもなく。
『何ふざけたこと言ってんだ! お前をこの世界に入れるわけにいかねぇんだよ!! ちょっと考えりゃ分かるだろ!?』
『うーん、厳しい世界だし、それにあなたは……ねぇ?』
誰に話しても、そんな感じだった。
その瞬間、私は思い出したんだ。
そうだ、私は存在してはいけないんだった。
人前に出るなんてとんでもない。
私は爆弾。
いつ人々を巻き込んで傷つけるか分からない。
私は夢を諦めた。