日陰より愛を


「わっ! もうっ、びっくりした! 起きてるんなら早く言ってよ!」


そう言って膨れている愛しの新妻。


もう……可愛いなぁ。


たまらず、俺はそっとキスをした。


驚いたように胸を押し返してきたけれど、その手をきゅっと握る。


朝にしては濃厚すぎるキスを交わした。


しばらく楽しんで唇を離すと、葵は真っ赤な顔ではふはふと息を乱していて。


それにまたずきゅんときた俺は、再び唇を重ねようと顔を近づけた。


「まっ、待って! 撮影、遅れちゃうっ、んぅっ…!」


なんだかうるさいことを言っている口を塞いだ。


俺って結構Sなのかもしれない。


葵と過ごしているとよく思う。


まぁ、嫌がってないしいいのかな。


じたばた暴れる葵を押さえながら、そう思った。



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