友達??恋人??
入学式がやっと終わって、教室に戻る最中、声をかけられた。


「あなた、さっき優磨にぶつかった人だよね??」


え、とあたしは声がした方を向いた。


すると、あたしの胸ぐらいまでの身長で、とてもかわいらしい女の子がいた。


「私、結華(ゆいか)って言うの。五組の子、だよね??ヨロシクね。」


「よ、よろしく・・・」


あたしはいつのまにか彼女に魅了されていた。



ふわふわショートに、ほんのり香るバニラの香り。


ニコッと笑った顔にはえくぼ。


(この子、男ウケしそうだな~)


なんて考えていると、予鈴が鳴った。


「あ!!予鈴だ、急ごう!!」


え、と言った結華の細い手首を引っ張って、あたしたちは教室についた。



そこにはもう先生がいて、「時間は守れよ~」と言って、あたしたちは軽く注意された。


あたしと結華ちゃんは黒板に貼ってある出席番号表を見て、自分の席に座ろうとした。


あたしの隣は…彼だった。


彼はあたしの存在に気付くと話しかけてきた。


「あの~、さっきぶつかっちゃった奴だよな!!さっきはホントごめん!!」

あたしはいいよ!!と言った。


そこで終わってしまうと思っていた会話は案外長く、自己紹介が始まった。


「なあ、名前なんて言うの??俺は、長谷川優磨(はせがわゆうま)ってんだ!!
よろしくな!!」


ふーん、彰宏くんって言うんだ。


「あたしは春川真凛。さっきはぶつかっちゃってごめん・・・。悪気はないから!!」


そんなん分かってるよ!!と彼は言った。


意外にフレンドリーであたしはすぐに優磨くんと仲良くなった。







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