※公開終了間近! イロモノなアタシ
電話番号みたいだ、新人なのに店内でそんな事をするなんて。


浩さんは全く気づかずに、他のお客さんと話し込んでいる。


だから、あたしも見ないフリをした。


これでいい、後はクミさんがどう裁くかだ。


「うふふー、モテる女は辛いねー」


『ZUKA』を出た後に寄ったラーメン屋で、ビールを飲みながら満足そうにつぶやく彼女。


「クミさん、いいんですか? レイ君をからかって」
「いいの、浩さんにヤキモチ焼かせたいし」
「はあ」


何かツケが回ってきそうな感じもするけれど、いいというのなら放置しておく。


「でも浩さん、噂がありますよね」
「ああ、あの話でしょ。二丁目じゃ有名だわ」


あの話。



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