※公開終了間近! イロモノなアタシ
米山ではなく、中年の男性だった。


「木村専務、現場まですみません」
「おう、元気そうやな。この姉ちゃんは? 」


あたしを見て、けげんな顔をする木村専務。


「初めましてーシャングリラのシホです」


あわてて名刺を差し出すと、受け取ってから笑顔になる。


それがいかにも大阪っぽい、現金な感じ。


「なんや、ゲイショーパブかいなー営業大変やの」


良かったー、もし女だって知られたら予防線張られてたよ。


木村専務にしてみれば、鳴瀬さんは商品。


売り出し中なのに、スキャンダルという傷でも付けられたら大変だから。


「鳴瀬ーホンマに気ぃ付けぇよ、オンナ絡みは厄介になるし」
「分かってます」
「ほな」


行ってしまうと、鳴瀬さんは複雑な顔をする。


まあ、自分のマイナスポイントを見られたから仕方ないけれど。





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