※公開終了間近! イロモノなアタシ
浩さんは自分の被っていたテンガロンハットをあたしにかぶせ、腕を組んでくれた。
「ずみまぜん」
泣きすぎて鼻水混じりになった声で謝ると、フッと笑いをもらす。
それがもう男らしくて、クミさんじゃないけど惚れてしまいそうにかっこいい。
『ZUKA』に到着すると、開店前で誰も居ない。
「ほら、顔ふいて。これで」
温かいおしぼりを出してくれると、カウンターの中で何かを作り始める浩さん。
「飲んで落ち着いたらお店に出勤するんだよ、でもその前に涙の理由を聞かせてよ」
「ううっ……」
正直に言いたいけれど、理由がバカバカし過ぎて相談出来ない。
そんな状況を見かねた浩さんが差し出してくれたグラスには、甘い香りのカクテルが入っていた。
一口飲むと、胸の中がスッとして落ち着く。
「これはね、カンパリに花のエッセンスを入れたオリジナル」
「クミスペシャルじゃないんですね」
「ハハハ……、まあ、あえて言うなら晃スペシャルかな」
「え? 」
晃って、お母さんの源氏名だ。
「ずみまぜん」
泣きすぎて鼻水混じりになった声で謝ると、フッと笑いをもらす。
それがもう男らしくて、クミさんじゃないけど惚れてしまいそうにかっこいい。
『ZUKA』に到着すると、開店前で誰も居ない。
「ほら、顔ふいて。これで」
温かいおしぼりを出してくれると、カウンターの中で何かを作り始める浩さん。
「飲んで落ち着いたらお店に出勤するんだよ、でもその前に涙の理由を聞かせてよ」
「ううっ……」
正直に言いたいけれど、理由がバカバカし過ぎて相談出来ない。
そんな状況を見かねた浩さんが差し出してくれたグラスには、甘い香りのカクテルが入っていた。
一口飲むと、胸の中がスッとして落ち着く。
「これはね、カンパリに花のエッセンスを入れたオリジナル」
「クミスペシャルじゃないんですね」
「ハハハ……、まあ、あえて言うなら晃スペシャルかな」
「え? 」
晃って、お母さんの源氏名だ。