※公開終了間近! イロモノなアタシ
浩さんにまつわる噂は本当だった、相手は男性で、昔から付き合いがある人だそうだ。


最近になって、何度目かのアプローチを受けて、自分のセクシュアリティを捨てるかどうか悩んだ結果、受け入れる事にしたらしい。


「浩さんて、情熱的なんですね」
「いいや、相手の熱意に負けただけ。でもね、彼と一緒に居る時間は、何よりも大事な時間なんだ」


女性なのに男性の心を持つ彼女が、どうしてそこまでと思ったけれど、納得が行く言葉をもらった。


「絶対に秘密にしますから」
「約束だよ、お互いにね」


小指をからめて指切りげんまんをすると、なんだか昔のお母さんとまた出会えた気になる。


『志穂、遅くなるけど明日は必ず遊園地に行こう』
『指きりげんまんだよぉー』
『うん』


また涙が出そうになって、あわてて目をこすった。


「シホちゃん、お仕事頑張って」
「はい! 」

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