※公開終了間近! イロモノなアタシ
ブチブチブチィーッ、ビリビリビリィーッ。


全部ドレスが破れましたとさ、めでたしめでたし。


んなワケ無いでしょ! 


何なら『お前はすでにデブってる』とでも言いましょうか?


あたしは拳法の使い手かっての!


「それ……」


ほら、絶句してるじゃん。


「ご、ごめんなさいっ! 」
「行くよ、早く着替えておいで」
「は、はいいいっ! 」


裏返った声で返事をし、何とかドレスの残骸を取り除くと替えの衣装を着る。


そして、自分の顔を鏡で確認するとこの騒ぎでかいた汗により、あのメイクは流れ去って、元通りになっていた。


蘭子魔法使いがシンデレラにかけた魔法は、肥満という恐ろしい力の前に敗れ去ったのである。

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