※公開終了間近! イロモノなアタシ
お金を渡され、店を飛び出すと最寄のコンビニで氷を買い込み、また戻る。


「これ、冷凍庫に入れますよ」
「うん、ありがとう。あのさ、クミちゃんにこれ出してくれるかな」
「はいはい」


用意してあるボトルとグラス、そしてお絞りを持って席に行くと、クミさんはほおをふくらませていた。


「もぉー女どもめ」
「クミさんも女でしょ、さ、どうぞ」


手際良く水割りを作り、クミさんへ差し出すと自分も少し飲む。


「お腹すいたー! 浩さーん」
「今作るからね」


キッチンも1人でこなしているから大変だと思い、カウンターの中へ手伝いに行く。


「ごめん、シホちゃん」
「いいんですよ、それよりママ来ましたか? 」
「忙しいから、明日だって。あ、コゲそう」


バタバタと焼きうどんを作り、それを目の前のお客さんへ差し出すと、雑炊を作り始めた。


「火加減見てますから、カクテル作って下さい」
「おう」


こうして時間が過ぎ、夜も更けて来ると、何人かのお客さんは連れ立って2階にあるビアンバーへと消えて行く。


そこは、ナンパも自由でそれなりにかっこいい人たちがやって来る場所として有名だ。


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